歴史を辿る

歴史的建造物

茨木宅(旧茨木輿八郎番屋)

茨木家住宅の周囲は、石倉、倉庫、茨木家中出張番屋、恵美須神社の鳥居と社殿がまとまって建つことから、かつて祝津がにしん漁で繁栄したことを今に伝える大変貴重な場所といえます。
住宅は、道路に面して立つ平屋の主家とその裏側にある2階建てのはなれからなっています。前庭の周囲には四角形の花崗岩を立てて道路との仕切りとし、また、建物の正面右には庭を取り囲む板塀と門を設けています。玄関は来客用と家族用に区別され、それぞれ異なった屋根を持っています。建物細部には草花をモチーフとした彫刻が見られ、当時の大工らの細やかな装飾が見所でもあります。

旧茨木家中出張番屋

この番屋は、屋根の先端(軒先)やトイレが棟が傾き、祝津のにしん漁場建築の中で最も損傷が激しいことから、今、地元ではこの建物の存続方法が話し合われています。立地は江戸時代の社殿である恵美須神社の鳥居の脇に建ち、外観と内部は伝統的なにしん番屋の趣を伝え、地域にとって由緒ある建物です。また、祝津のまちなみ景観にとってもポイントになる大切な建物といえます。
室内は、玄関から土間が広がり、正面の奥には釜戸が据えられています。その屋根上は煙を吐き出すための煙出しにつながっています。土間を境にして、正面右手は座敷が6室あり、左手は漁夫が寝泊りするための「ネダイ」が壁際に設けられています。室内はご覧頂く事はできませんが、室内の現況は、外観の破損状態から受ける印象とは異なり、明治時代に建てられた番屋の様子をよく残しています。それはこの番屋が堅牢な木造建築の技術によって建てられた証ともいえます。

旧近江家番屋

旧近江家番屋は、道道小樽海岸線(通称:番屋通り)の北の端に建ち、小樽鰊御殿(旧田中家番屋)のすぐ側に位置する祝津で最も古い番屋の形を伝えています。
正面は南を向き、中央の曲面のある屋根がかかっている玄関を入ると土間がつながり、その左を親方家族のための座敷を配置し、右側を漁夫の寝床に区分しています。漁夫用の室内は天井が無く、小屋組みが露出した吹抜けで、その構造は梁が対角に架かる珍しい作りになっています。

祝津に残る歴史的建造物

PAGE TOP